実写映画とアニメーションの動きの違い

Abstract

第 1章では,実写映画の動きの知覚をめぐる心理主義から物理レベルにまで広がるいくつかの説明理論を紹 介し,現時点では定説を得るに至っていないことを指摘した。ただし,毎秒 16枚以上でわずかずつ変化する 静止画を変化させて提示する実写映画は滑らかな動きとして知覚されることに異論を唱えるものはいない。 後半では,それを踏まえて,アニメーションの動きは実写映画の動きとは性質が異なることを主張した。実 写映画とさまざまなタイプのアニメーションの動きの違いを捉えるには,1970年にロボット工学者森政弘が 提案した「不気味の谷」の図式を用いることで見通しが得られる。毎秒 24コマの画像シークエンス(1コマ 打ち)で構成される実写映画を,アニメーションと同様に 2コマ打ちや 3コマ打ちに変えると,動きの劣化が 明確になってしまうのは「不気味の谷」に落ちるためである。それに対し,2Dセル・アニメーションでは,1 コマ打ちと 2・3コマ打ちのあいだに「不気味の谷」が存在しないため,動きの劣化はほとんど感じられない。

定義

実写映画「対象物の実際の動きを撮影しその動きを再現するフィルム映像」 アニメーション「紙面やセル上に人の手で描かれた静止画から創出されたフィルム映像」

静止画の継時提示に滑らかな動きを近くする現象を「仮現運動」

仮現運動を「short-range」と「long-range」に分ける考え方は修正された。ただ「コマ間での移動角度が小さいほど滑らかな動きが知覚されやすい」

実写映画では毎秒24コマを12コマor8コマに落とすとバタついた動きになる

-> VTuberとかの動きをしてみるとどうなんだろう?

加えて,アニメーションでは,本物の動きではありえない「タメ」や「ツブシ」など,誇張された動きや形表現も多用される。 -> アニメーターが想像するキャラクターがこう動くだろうと想像した動きを作っている